「好きな男性から誘われて、二人きりになった。普段より近い距離で話しかけられ、優しくされると、期待してしまう。自分は前から好きだったのだから、うれしくないはずがない。このまま関係を持てば、彼にとっても特別な存在になれるかもしれないと思う」
一方で、付き合う話が出ていないことは気になっている。
このようなとき、断ったら次は誘ってもらえないかもしれないという不安から、自分がどうしたいのかを確かめる前に、多くの女性がその場の流れに任せてしまい後で後悔することがよく起きます。すでに肉体関係を持った場合は、翌日から相手の連絡を待ちながら、「彼はどう思っているんだろう」と悩むことになります。
付き合う前にセックスをしたからといって、恋人になれなくなるわけではありません。ただ、自分が「これをきっかけに付き合いたい」と思っていても、相手まで同じ未来を考えているとは限らないのです。体の距離が近づいたことで、その違いも埋まったように感じてしまうと、その後の連絡や相手の態度に、かえって苦しくなってしまいます。
片思い中に体の関係を持つか迷ったときも、すでに関係を持った後も、まず確かめたいのは「自分がどのような関係を望んでいるか」です。その希望を相手と話せるかどうかが、これからの二人を考える手がかりになります。
セックスをすれば、相手も付き合いたくなるのか
好きな人に求められると、「少なくとも恋愛対象として見てもらえている」と感じることがあります。抱きしめられたり、普段は言わないような優しい言葉をかけられたりすれば、相手の気持ちも自分に近づいたと思いたくなります。
しかし、男性から「性的に惹かれることと、恋人として付き合いたい」と思うことは、必ずしも一致しないことを覚えておいてください。男性の中には「一緒に過ごしたい気持ちがあっても、交際についてはまだ考えていない人」や、「セックスすることがだけが目的で、そのためならいくらでも嘘をつく」人もいます。
例えば、自分は「あの夜を境に、二人の関係は変わった」と感じているのに、相手からの連絡は以前と変わらない。会おうとは言ってくれるけれど、付き合う話になると曖昧になる。そうなると、相手の一つひとつの言葉から、交際につながる意味を探すようになってしまいます。
二人とも交際を望んでいれば、体の関係を持った後に付き合い始めることもあるでしょう。ただそうならない場合、二人の間にあることは「セックスをしたという事実だけ」なんです。「きっと彼も同じ気持ちになったはず」という期待が大きくなるほど、お互いの気持ちがすれ違いになっていることに気付きにくくなります。

好きだから応じたい気持ちと、断るのが怖い気持ち
相手のことが好きなら、触れたい、もっと近くにいたいと思うのは自然です。その気持ちを否定する必要はありません。ただ、相手から誘われたときに「自分もしたい」と感じているのか、それとも「断ったら嫌われる」と焦っているのかは、一度立ち止まって考えましょう。
実際には、両方の気持ちが混ざることもあります。彼と親密になりたい一方で、まだ関係がはっきりしていないことが不安だったり、本当は今日は帰りたいのに、せっかく誘ってくれたのだからと無理をしたりすることもあるでしょう。
そのときは、好きな人から誘われたのだから応じるべきだと考えないようにしましょう。「好きだけれど、今はまだ決められない」という気持ちにも、きちんと理由があります。交際する意思を確認したい、もう少し相手を知りたい、落ち着いた状況で考えたいと思うなら、その時間を取ってください。
今感じている迷いを押し込めてまで、相手の期待に合わせる必要はありません。
「あなたのことは好きだけれど、今日は帰りたい」「私は、付き合ってから体の関係を持ちたい」と伝えるのは、二人の関係を今後良くしていくために必要なことです。そしてあなたが自分の希望を相手に伝えたときに、相手がどう受け止めどのような振る舞いをしたのかをしっかり見ておきましょう。多くの男性は、本当に大切にしている女性なら必ず待ってくれます。無理に関係をもって、それで嫌われたら嫌ですからね。
体の関係を持つ前に、付き合いたい気持ちを伝える
片思いの相手に気持ちを聞くのは、かなり勇気がいります。答えを聞かなければ、もしかしたら相手も私のことを好きかもという可能性を持てますが、訊いてしまえば、相手は私に恋愛感情はないと分かるかもしれません。だからこのような状況に陥っている女性は、「相手の気持ちを確かめる前に体の関係を持ち、そこから自然に付き合う流れになってほしい」と願ってしまいます。
けれども、その期待を相手が知らなければ、二人は別々の理解のまま関係を続けることになります。自分は交際に向かっているつもりでも、相手は今の関わり方に納得していると思っているかもしれません。
交際を望んでいるなら、「私はあなたのことが好きで、付き合いたいと思っている。あなたはどう考えている?」と、自分の希望も含めて必ず聞いてみましょう。「私たちって何?」と相手に定義を求めるだけよりも、何を話し合いたいのかがストレートに伝わりやすくなります。
相手が考える時間を必要としているなら、自分も体の関係を急がずにいるという選択ができます。反対に、交際する気はないと分かったなら、その関係を自分が望んでいるかを考えられます。相手の答えが期待どおりでなくても、そこから自分の選択を決めてよいのです。
相手の気持ちは、親密な夜だけでは見えない
二人きりのときに「好きだよ」「大切にする」と言われたら、信じたくなりますよね。それらの言葉も相手を知る材料ですが、普段あなたとどのように関わっているのかと合わせて見た方が、二人の関係を捉えやすくなります。
食事をして話すだけの日にも、相手は一緒に過ごそうとしてくれているしょうか。予定を決めるときに、こちらの都合も聞いてくれるでしょうか。仕事のことや最近気になっていることなど、性的な話以外にも関心を持ってくれるでしょうか。こうした日常のやり取りには、相手がどのような関わり方を望んでいるかが表れます。
もちろん、昼に会えば本気、夜に会えば遊びという単純な判断ではありません。仕事の時間や生活の事情もあるので、一つの行動だけで相手の気持ちを決めつけるのは危険です。
一方で、会うのはいつも相手から突然呼ばれたときだけで、こちらからの誘いには応じない。体の関係を求めるときは熱心なのに、二人のことを話そうとすると避けられる。そんな状態が続いているなら、改めて考える必要があります。おそらくそのままでは、あなたの望む未来は訪れない可能性が高くなります。
相手の本心を完全に読み取ることはできません。それでも、言っていることと行動が合っているか、自分の希望も尊重されているかは、これまでの出来事や相手の言動から確かめられます。
セックスを断ったとき、あなたの意思を尊重してもらえるか
好きな人と二人きりになると、雰囲気を壊したくなくて言い出せないことがあります。相手の家まで来たのに、キスもしたのに、ここで帰ると言ったら悪いのではないか。そう思って、気が進まないまま応じてしまう女性は沢山います。
しかし、相手の家に行ったことやキスをしたことは、当然その先のセックスへの同意をしたことにはなりません。途中で気持ちが変わったら、やめたいと伝えていいのです。以前セックスをしたことがあっても、その日の同意は別に必要です。また、黙っていることや、怖くて抵抗できないことも、同意と同じではありません。
反対に、「好きならできるはず」と責めたり、何度断っても迫ったり帰ろうとするのを妨げたりする行動は、あなたの意思を尊重していないですし、そういう男性と関わるのはやめた方がいいでしょう。セックスを「好意の証明」として、応じる必要はありません。
避妊や性感染症についても、話せる関係であること
セックスをするか考えるとき、恋愛感情と一緒に身体に関わることも二人で話しておきたいところです。好きな人だからこそ言い出しにくいかもしれませんが、避妊や性感染症について確認することは、相手を疑う行為ではありません。
コンドームの正しい使用は、妊娠の予防と性感染症のリスク低減に役立ちます。
相手から「信用していないの?」「つけなくても大丈夫」と言われても、自分がそれを望まないのなら、応じる必要はありません。避妊やあなたの意思を尊重してもらえないのなら、その場で止める選択をしましょう。また、お酒などの影響で、どちらかが十分に判断できない状態のときにも、安易にしないことが大切です。
すでにセックスをした後で、不安になっているなら
あの夜の選択だけで、自分を責めなくていい
関係を持った後に連絡が減ると、「早く応じすぎたのだろうか」「断っていれば大切にされたのだろうか」と、自分の行動を振り返り続けてしまうことがあります。自分にとって大きな出来事だったほど、相手の反応が薄いことに戸惑ってしまいます。
ただ、連絡が減った理由や相手の気持ちの変化は、それだけでは分かりません。過ぎたことを悩んでも仕方がないので、その時は一度立ち止まり自分が何を望んでいるのかをしっかり見つめ直す時間に変えましょう。
ひとりで考え続けるより、相手と関係について話す
連絡が少なくなったとき、返信の時間や言葉遣いからあれこれ理由を探しても、答えはでません。あくまで「こうだろう」という憶測にしかなりません。例えば「忙しいだけかもしれない」と待ち続けるうちに、次に会うときも付き合う話ができず、同じ関係がダラダラ続くこともあります。
あなたが真剣な交際を望んでいるのなら、落ち着いて話せるときに、「私はこれから付き合っていきたいと思っている。あなたはどう考えている?」と確認してみてください。関係を持つ前には言えなかったとしても、今から伝えて遅いということはありません。
相手の返事が曖昧なら、現時点では交際の気持ちが準備ができていない状態です。その後どうするかは、自分の希望と精神的な負担を踏まえて考えましょう。当然、相手の気持ちが決まるまで、同じ関わり方を続けるのは止め他方がいいと言えます。
次のセックスを断り、関わり方を変える
一度関係を持った相手には、次を断りにくく感じるかもしれません。男性というのは、一度でもセックスができてしまうと、次も大丈夫と思ってしまいます。けれど、女性が過去に応じたことは、これからも応じる約束には当然なりません。「曖昧なまま体の関係を続けるのはつらい」「今はセックスをせずに会いたい」と、現在の気持ちを伝えることは大切です。
そこで相手は交際を望んでいないけど肉体関係は続けたい、自分は恋人として付き合いたい。その違いが分かったなら、会うのをやめたり、距離を置いたりすることも選択肢になります。
優しいところがある相手ほど、「本当は好きなのかもしれない」と希望が残ってしまいますが、それでも相手の本心がすべて分かるまで、しっかりと自分を守りましょう。自分の希望を伝えても尊重されず、会うたびにつらさが増しているなら、その経験も今後どうするのかを考える判断材料になります。
なお、断ると脅される、帰らせてもらえないなどの不安がある場合は、一人で話し合って解決しようとせず、信頼できる人や相談窓口に助けを求めてください。
まとめ
片思い中にセックスをしても、それだけで二人の気持ちがそろうわけではありません。付き合いたいと願っているなら、その希望を言葉で伝え、相手がどう考えているかを確かめる必要があります。
同時に、自分も今その行為を望んでいるか、迷いや不安を伝えられるか、断ったときに意思を尊重してもらえるかにも目を向けてください。相手を好きな気持ちがあっても、体の関係を急ぐ必要はありません。
すでに関係を持った後も、これからの関わり方は考え直せます。好きな人との時間を大切にしながら、自分の希望や身体も大切にできる関係かどうか。相手の言葉と日々の行動を見ながら、自分も納得できる選択をしていきましょう。
