「最近、仕事が忙しくて余裕がない」「今は恋愛のことまで考えられない」「少し距離を置きたい」
付き合っている彼氏から突然こんなことを言われたら、言葉をそのまま受け止めることは難しいでしょう。本当に仕事が忙しいだけなのか。それとも、自分への気持ちが冷めたのか。すでに別れたいと思っているものの、はっきり言わずに遠ざかろうとしているのか。考え始めると、どの可能性も否定できないように感じます。
「嫌いになった」「別れたい」と言われたわけではないからこそ、気持ちが揺れます。本当に余裕がないだけなら、彼を信じて待ちたい。しかし、気持ちが離れているのに「忙しい」という言葉で保留にされているのなら、何か月も待ったあとで結局別れることになるかもしれません。
このような場面で、多くの女性が知りたいのは、彼の言葉が本当か嘘かということだと思います。ただ、「忙しい」という言葉を、真実か言い訳かの二つに分けるだけでは、彼の心理を正確には捉えられません。
実際に仕事が忙しいのは本当でも、それに加えて恋愛関係にも疲れていることがあります。心身ともに余裕がない中で、恋人へ向き合う負担まで抱えきれなくなっていることもあれば、以前ほど会いたいと思えなくなった気持ちを、自分でも認めたくない場合もあります。つまり、「忙しい」は事実でありながら、本音のすべてではないことがあるのです。
一方で、本当に大切なら、どれだけ忙しくても必ず連絡できるとも限りません。強いストレスや心身の疲労を抱えれば、好きな相手にさえ連絡を返せなくなる人はいます。恋人を大切に思う気持ちと、関係に使える余力は、必ずしも同じではありません。
だからこそ、連絡の回数だけで「愛されている」「冷められた」と判断するのではなく、彼がその状況をどう説明し、関係をどのように扱っているのかを見る必要があります。
この記事では、彼氏が「忙しい」「距離を置きたい」と言う時に考えられる男性心理を整理しながら、本当に余裕を失っている場合と、気持ちが冷めている場合の違いを考えていきます。彼の本音を言い当てることが目的ではありません。限られた情報の中でも、彼の言葉と行動をできるだけ冷静に見て、自分がこの関係をどうするのか判断するための記事です。
「忙しい」は、嘘か本当かの二択ではない
彼氏に「忙しい」と言われた時、多くの女性は、本当に仕事が忙しいのか、それとも自分を避けるための言い訳なのかを確かめようとします。
残業が増えているのか。休日にも仕事をしているのか。友人とは会っていないか。SNSは更新していないか。彼の行動を一つずつ確認し、忙しさの証拠を探したくなるでしょう。
しかし、人が「忙しい」と口にする時、必ずしも予定が物理的に詰まっていることだけを表しているわけではありません。
一日のうちに自由な時間が多少残っていても、仕事で失敗が続いている、職場の人間関係に疲れている、将来への不安を抱えているといった状態では、誰かと丁寧に関わるための心理的な余裕を失うことがあります。友人と短時間食事をすることはできても、恋人から将来や関係について話されると重く感じる場合もあります。
この時の「忙しい」は、単なる嘘ではありません。ただ、正確に言えば「仕事が忙しい」だけではなく、「今は恋愛関係へ向き合うだけの余力がない」という意味を含んでいます。
さらに、その余力のなさが、彼自身の生活全体から来ているのか、それとも彼女との関係に限って起きているのかによって、意味は大きく変わります。
仕事、友人、趣味、家族との関係まで一様に縮小し、睡眠や食事も乱れているなら、彼は本当に生活上の危機に直面しているのかもしれません。一方、ほかの予定には積極的なのに、彼女との連絡や話し合いだけを「忙しい」で避けているなら、問題の中心は時間不足ではなく、恋愛関係に対する気持ちや負担にある可能性が高まります。
つまり、「忙しい」が事実かどうかだけを調べても、答えは出ません。大切なのは、彼が何に余裕を失い、なぜ恋愛から距離を取りたくなっているのかを見ることです。
本当に大切なら、忙しくても連絡できるのか
恋愛相談では、「本当に好きなら、どれだけ忙しくても連絡くらいできる」という意見をよく見かけます。たしかに、短いメッセージを送るだけなら、時間としては数十秒で済みます。そのため、何日も返事がなければ、「自分への気持ちがないから連絡しないのだ」と感じるのも無理はありません。
ただし、ここで見落とされやすいのは、連絡に必要なのは時間だけではないということです。
心身ともに疲れ切っている時には、短い返信であっても心理的な負担になることがあります。中途半端に返せば、そこから会話が続く。冷たい文章を送れば、相手を不安にさせる。恋人から「大丈夫?」と聞かれても、自分の状況をうまく説明できない。そう考えるうちに後回しになり、そのまま時間が経つこともあります。
だから、連絡が減ったという事実だけで、愛情がなくなったと断定することはできません。
一方で、本当に関係を大切にしたい人は、連絡できない時にも、相手を完全な暗闇へ置かないようにしようとします。
「今月は仕事がかなり厳しくて、返信が遅くなると思う」「あなたが嫌になったわけではないけれど、今は毎日連絡する余裕がない」「この仕事が終わる来週末に、落ち着いて話したい」と、自分の状況や見通しを伝えようとします。頻繁に連絡できなくても、関係を切るつもりではないことを示し、次につながる言葉を残します。
見るべきなのは、連絡量の多さだけではありません。連絡できないことへの説明があるか、相手を不安な状態へ置いたことに配慮しているか、関係を再開するための見通しを示しているかです。
本当に大切なら必ず連絡できる、とは限りません。しかし、関係を続けたいのであれば、連絡できない状態をそのまま放置せず、何らかの形で相手とのつながりを守ろうとする姿勢は表れやすいものです。
彼氏が「忙しい」「距離を置きたい」と言う5つの心理
彼の言葉だけから、一つの本音に決めることはできません。ここでは、考えられる心理を五つに分けて整理します。実際には複数が重なっていることもあり、「仕事が忙しいから恋愛にも疲れ、その結果として気持ちが分からなくなった」という流れもあります。
1.本当に仕事や生活の問題で余裕を失っている
最初に考えられるのは、言葉どおり、本当に仕事や生活上の問題で余裕を失っている状態です。
大きな仕事を任された。就職や転職の時期と重なっている。資格試験が迫っている。家族の病気や金銭的な問題を抱えている。本人の心身の調子が悪く、日常生活を維持するだけで精一杯になっている。このような状況では、恋人への気持ちがなくなっていなくても、恋愛に使える時間やエネルギーが減ることがあります。
特に、弱っている姿を人に見せることが苦手な男性は、恋人に頼るより、一人で問題を処理しようとする場合があります。「しんどいから支えてほしい」と言う代わりに、「今は余裕がないから離れたい」と伝えるのです。
このケースでは、恋人との関係だけでなく、生活全体に変化が出ていることが多いでしょう。以前楽しんでいた趣味へ行かなくなった、友人との予定も減った、睡眠不足が続いている、表情や体調が明らかに悪いといった様子が見られます。
また、説明がすべて十分でなくても、自分が置かれている状況を伝えようとする姿勢があります。「いつまで続くか分からない」と言いながらも、少なくとも何が起きているのかは話す。彼女を責めるのではなく、自分に余裕がないことを問題として扱います。
ただし、本当に忙しいからといって、彼女が無期限に待たなければならないわけではありません。事情には理解を示しながらも、自分がどの程度の関係なら続けられるのかを考える必要があります。
連絡が月に一度でも平気な人もいれば、最低限のつながりがなければ交際を続けられない人もいます。どちらが正しいという話ではありません。彼に余裕がないことと、二人が恋人として関係を維持できるかは、分けて考える必要があります。
2.仕事は忙しいが、それ以上に恋愛関係へ疲れている
「仕事が忙しい」は事実でも、恋愛そのものが負担になっている場合があります。
連絡が遅れるたびに理由を説明しなければならない。会えないことを責められる。短い返信をすると機嫌を損ねられる。将来について何度も答えを求められる。会うたびに同じ問題で喧嘩になる。このような状態が続けば、仕事で疲れている時ほど、恋人とのやり取りまで重荷に感じるようになります。
反対に、彼女側が一方的に問題を起こしていたとは限りません。彼が不満を言葉にせず、いつも「大丈夫」と済ませてきた結果、彼女には何が負担だったのか分からないまま限界を迎えることもあります。
このケースでは、彼女から見ると「昨日まで普通だったのに、突然距離を置かれた」と感じます。しかし彼の中では、言えなかった不満や疲れが少しずつ蓄積していた可能性があります。
忙しい状況では、人は限られたエネルギーを優先順位の高いものへ振り分けます。その時、恋愛関係が安心できる場所ではなく、追加の説明や感情的な対応を求められる場所になっていれば、そこから距離を取りたくなることがあります。
大切なのは、「自分が重かったから全部悪い」と結論づけることではありません。彼が関係の中で何に負担を感じていたのか、二人の間で不満を伝えられる状態があったのかを見ることです。
彼女が連絡を求めすぎていたのなら見直す余地はあります。しかし、彼が何も伝えずに我慢し、ある日突然関係から離れることも、健全な問題解決とは言えません。関係を修復するには、片方だけが「もう重くならない」と約束するのではなく、双方が不満の伝え方と受け止め方を変える必要があります。
3.気持ちが冷めてきたものの、自分でも決めきれていない
以前ほど会いたいと思わない。連絡が来ても嬉しさより義務感がある。嫌いになったわけではないが、このまま付き合い続ける未来も想像しにくい。そんな時、人はすぐに別れを決められるとは限りません。
長く付き合っていれば、情や思い出があります。別れれば寂しくなるかもしれず、あとで後悔する可能性もあります。相手に明確な問題がないほど、「好きではなくなった」という理由だけで関係を終えることに罪悪感を持つ人もいます。
そこで、一度離れてみて、自分の気持ちを確かめようとします。
離れたら会いたくなるのか。それとも、連絡を取らない生活にほっとするのか。恋人がいない状態を想像した時に寂しいのか、自由になったと感じるのか。そうした感覚から、自分の本音を知ろうとしているのです。
この場合の「距離を置きたい」は、関係を修復するためだけの前向きな時間ではありません。別れるかどうかを判断するための時間でもあります。
彼女側は「待っていれば好きな気持ちが戻る」と考えたくなりますが、彼自身にも結論は分かっていません。そのため、距離を置くことに同意するなら、戻ることを前提に待つのではなく、自分も関係を続けたいのか考える必要があります。
また、気持ちが冷めたことには、必ず分かりやすい原因があるとは限りません。何かを直せば元に戻ると思い、「私のどこが悪かったの?」と答えを求めても、彼から明確な説明が出てこないことがあります。
恋愛感情は、問題点を一つ修正すれば自動的に回復するものではありません。気持ちが変化したことを、彼女の努力不足だけで説明することもできないのです。
4.別れたいが、自分から明確に伝えることを避けている
すでに別れたい気持ちが固まっていても、それを率直に伝えられない人がいます。
相手を泣かせたくない。責められたくない。長い話し合いをしたくない。共通の友人から悪く思われたくない。自分が一方的に相手を振った人になることに耐えられない。そのような気持ちから、「別れたい」ではなく「忙しい」「今は余裕がない」「距離を置きたい」という表現を使います。
この言い方なら、自分が拒絶したのではなく、仕事や状況のせいで離れざるを得なかったように見せられます。彼女が待つことに疲れ、自然に離れてくれれば、自分から関係を終わらせる責任も負わずに済みます。
見分ける材料になるのは、関係について話し合う意思があるかどうかです。
本当に考える時間が必要な人は、答えがまだ出ていなくても、「今月末に一度話そう」「二週間だけ連絡を控えたい」と、何らかの区切りを作ろうとします。一方、別れを先延ばしにしている人は、期間を聞いても決めず、話し合う日も設けず、こちらから連絡しなければそのまま消えようとします。
また、彼女が「交際は続いているのか」と確認しても、はっきり答えないことがあります。別れたとは言わないけれど、恋人として向き合うつもりもない。こうした態度が続くなら、言葉の曖昧さより、関係を終わらせる責任から逃げている行動を見る必要があります。
彼が別れを言えない理由を理解することはできても、その決断ができるまで待ち続ける義務はありません。相手が結論を出さないなら、自分から関係を終えるという選択もあります。
5.恋人としての責任を外し、関係の心地よい部分だけ残したい
「今は付き合う余裕がない」と言いながら、寂しくなると連絡してくる。会いたい時だけ会おうとする。身体の関係は求めるのに、交際について尋ねると「今は考えられない」と答える。自分は自由に行動する一方で、彼女がほかの男性と会うことは嫌がる。
このような場合、彼は必ずしも完全に気持ちを失っているわけではないかもしれません。彼女への情や好意、安心感は残っているのでしょう。ただし、恋人として向き合う責任までは引き受けたくない状態です。
一人になるのは寂しい。しかし、連絡や約束、将来の話を求められるのは負担。そこで、正式な交際からは離れながら、自分にとって心地よい部分だけを残そうとします。
彼女側からすると、連絡が来たり、会えたりするたびに「やはりまだ好きなのだ」と期待します。しかし、彼が関係を選び直したのではなく、寂しさを埋めるために戻ってきているだけなら、また負担を感じた時に離れていきます。
見るべきなのは、会ってくれるかどうかではありません。二人の関係を明確にしようとするか、彼女の不安や時間に責任を持とうとするかです。
「今は恋人には戻れない。でもそばにはいてほしい」という希望を、受け入れなければならない理由はありません。彼にとって居心地のよい関係が、自分にとっても幸せな関係とは限らないからです。
ほかに気になる女性がいる可能性はあるのか
彼氏の態度が急に変わると、「ほかに好きな女性ができたのではないか」と疑いたくなるかもしれません。実際、その可能性がまったくないとは言えません。別の人に気持ちが向いた結果、今の交際から距離を取ろうとする人もいます。
ただし、「忙しい」「距離を置きたい」と言われたことだけで、ほかの女性がいると判断することはできません。
仕事の忙しさや恋愛疲れ、自分自身の問題でも同じような行動は起きます。疑いが強くなると、SNSのフォローやオンライン状況、女性とのやり取りをすべて証拠のように見始め、自分の不安をさらに大きくしてしまいます。
気になる女性の存在を考えるなら、一つの行動ではなく、複数の変化を見る必要があります。
予定について急に説明しなくなった。スマートフォンを以前より極端に隠す。休日の行動が不自然になった。話の内容に矛盾が増えた。交際中なのか、距離を置いている間にほかの異性と会ってよいのかを尋ねても、答えを避ける。こうした変化が重なっている場合は、確認が必要かもしれません。
それでも、隠れて調べ続けるより、交際状態と距離を置く間のルールを直接尋ねた方がよいでしょう。決定的な証拠がなければ離れられないと思う必要もありません。ほかの女性がいるかどうかにかかわらず、説明がなく、信頼できない状態が続いていること自体を理由に、関係を見直すことはできます。
問題は、彼が浮気をしていると証明できるかどうかだけではありません。自分がこの関係の中で、安心して相手を信じられる状態にあるかどうかです。
「友達とは遊ぶのに、私には忙しい」は嘘なのか
忙しいと言いながら、彼氏が友人と飲みに行ったり、趣味を楽しんだりしているのを知ると、強く傷つくでしょう。「私に返信する時間はないのに、友達とは遊べるの?」と感じるのは自然です。
ただ、この行動だけで、仕事が忙しいという話がすべて嘘だとは言い切れません。
友人との食事では、関係について深く考えたり、自分の感情を説明したりする必要がないことがあります。一時的に仕事を忘れ、気軽に過ごせるため、精神的に疲れていても参加できる人はいます。一方、恋人と会えば、連絡が減った理由や今後について話さなければならない。その負担を考えると、会う気力が出ない場合があります。
しかし、それは彼女に価値がないという意味ではないものの、恋愛関係が現在の彼にとって安心できる場所ではなく、向き合う必要のある重い問題になっていることを示している可能性があります。
友人と会った一度の出来事ではなく、その後も趣味や飲み会には継続的に時間を使いながら、彼女に対しては説明も予定の提案もなく、「忙しい」とだけ言い続けているのなら、単なる時間不足とは考えにくくなります。
忙しいかどうかを裁判のように立証するのではなく、「彼は限られた余力を何に使い、恋愛関係を維持するためにどのような行動を取っているのか」を見る方が、本音に近づきやすいでしょう。
彼の本音は、具体性・一貫性・相互性から見る
彼の気持ちを完全に見抜く方法はありません。本人でさえ、自分の気持ちを理解できていないことがあります。それでも、言葉に振り回されすぎないための判断材料はあります。
ここで見たいのが、具体性・一貫性・相互性の三つです。
具体性|何が起き、いつまで続くのかを説明しているか
本当に仕事や生活上の事情が中心であれば、話せる範囲で状況を説明しようとすることが多いでしょう。
「新しい仕事が始まり、今月は帰宅が遅くなる」「家族の問題があって、二週間ほどそちらへ集中したい」「資格試験が終わるまでは、会う回数を減らしたい」といった説明です。
すべてを詳しく話せない事情はあります。それでも、何が問題になっているのか、どの程度の期間を考えているのかを伝えることはできます。
反対に、いつ聞いても「忙しい」「余裕がない」としか言わず、内容も見通しも話さないのであれば、その言葉は状況説明というより、会話を終わらせるために使われている可能性があります。
具体性がないから必ず嘘とは限りません。しかし、相手を待たせる以上、説明しようとする責任はあります。
一貫性|言葉と行動が矛盾していないか
「一人で考えたい」と言いながら、寂しい時だけ恋人のように連絡してくる。「仕事が落ち着いたら話す」と言ったのに、仕事が終わっても話し合おうとしない。「今は誰とも付き合えない」と言いながら、別の女性との出会いを探している。
このように、言葉と行動が何度も食い違う場合、彼の言葉だけを信じ続けるのは危険です。
重要なのは、一度の矛盾を見つけて責めることではありません。状況が変われば、言っていたことが変わる場合もあります。見るべきなのは、説明なく約束が変わり、そのたびに彼女だけが待たされていないかという全体の流れです。
誠実な人でも迷うことはあります。しかし、迷いがあることを伝え、約束を変えるなら説明しようとします。都合のよい時だけ言葉を使い分ける人は、自分の自由を守るために曖昧さを利用します。
相互性|関係を支える負担が片方だけになっていないか
二人の関係なのに、連絡するのも、会う日を提案するのも、問題を話し合おうとするのも、いつも彼女側だけになっていないでしょうか。
本当に関係を続けたいのであれば、余裕が戻った時に彼からも動くはずです。頻度や方法は人によって違っても、関係を維持するための負担を片方だけへ任せ続けることはありません。
彼女から連絡しなければ何週間も何もない。話し合いを提案しても、毎回先延ばしにされる。それでも「嫌いになったわけではない」とだけ言われる。この場合、好意が少し残っているかどうかより、関係へ主体的に参加する意思があるかを見た方がよいでしょう。
恋愛は、片方の強い気持ちだけでは維持できません。「私はまだ好き」という気持ちと、「二人で関係を続けられる」という現実は別のものです。
男性が冷めた時、本当に突然とは限らない
女性側には突然の変化に見えても、彼の中では以前から気持ちが揺れていたことがあります。
会話が減っていた。デートの予定を立てなくなった。触れ合いが少なくなった。将来の話を避けるようになった。同じ不満を何度か口にしていた。以前なら気にしなかった小さな変化が、距離を置きたいと言われたあとで、一つの流れとして見えてくることがあります。
ただし、女性が鈍かったから気づけなかったと決めつける必要はありません。彼が不満を伝えず、普段どおりに振る舞っていたのであれば、気づくことは困難です。相手の心を常に読み取る責任まで、恋人に求めることはできません。
重要なのは、過去の兆候を探して自分を責めることではなく、二人の間に問題を伝えられる関係があったかを考えることです。
彼女が不満を聞くたびに怒ったり否定したりしていたなら、彼が言えなくなった理由の一部は関係の中にあるかもしれません。一方、彼が対立を避けるために何も言わず、限界になって突然離れたのであれば、彼にも問題を共有する責任があります。
恋愛では、「気持ちが冷めた側が悪い」「気づかなかった側が悪い」という単純な話にはなりません。問題が生まれた時に、それを二人の間へ出せなかったこと自体が、関係の弱さとして表れている場合があります。
関係を修復できる可能性があるケース
距離を置きたいと言われたからといって、すべての関係が終わるわけではありません。ただし、「彼が戻ってきた」だけで、関係が修復されたとは言えません。
修復の可能性があるのは、距離を置いたあとに彼からも話し合おうとし、何が苦しかったのかを説明しようとする場合です。彼女だけへ改善を求めるのではなく、自分の伝え方や距離の取り方にも問題があったと認められる。再び同じ状況になった時に、どう対応するかを二人で相談できる。このような姿勢が必要です。
たとえば、仕事が忙しくなると彼が連絡を絶ち、彼女が不安から何度も連絡するという循環があったなら、「彼女が追わない」だけでは解決しません。彼は余裕がなくなる前に状況を伝え、いつ連絡できるかを示す。彼女は返信の遅れをすぐ拒絶と受け取らず、合意した期間は待つ。双方に変える部分があります。
また、距離を置いていた理由が、一時的な仕事や家庭の問題であっても、交際を続けるための現実的な方法を話す必要があります。「落ち着いたから元に戻ろう」だけでは、次に忙しくなった時に同じことが起こります。
一方、彼が寂しくなった時だけ戻り、問題については話したくないと言う。彼女に変化を求めるものの、自分は何も変えるつもりがない。交際を再開するかどうかは曖昧なまま、以前と同じ親密さだけを求める。このような状態なら、戻れる可能性ではなく、同じ苦しさが繰り返される可能性を考えた方がよいでしょう。
修復とは、以前の状態へそのまま戻ることではありません。以前の関係では対処できなかった問題を、今度は二人で扱えるようになることです。
彼を追う前に、自分が何を待っているのか考える
「忙しい」「距離を置きたい」と言われた時、彼を失う怖さから、どうすれば気持ちを戻せるかばかり考えてしまいます。しかし、ここで一度考えてほしいのは、自分が何を待っているのかということです。
仕事が落ち着き、また以前のように向き合える彼を待っているのか。自分への気持ちを決め直してくれるのを待っているのか。それとも、彼が別れを言わずに済むように、こちらが諦めるのを待たされているのか。
待つこと自体が間違いなのではありません。状況と期間が具体的で、彼にも関係を守る意思が見えるなら、相手の苦しい時期を支えるという選択もあります。
ただし、期間も約束もなく、彼の気分次第で連絡が来る状態を待つことは、自分の生活を相手に預けることになります。
このような場面では、彼の心理を完璧に理解してから判断しようとしない方がよいでしょう。彼が本当に忙しいのか、冷めたのか、別れたいのか。その答えが分からなくても、「説明のないまま待ち続ける関係は受け入れられない」と決めることはできます。
彼の本音を知ることと、自分の境界線を決めることは別です。相手が何を考えているか分からない時ほど、自分はどのような扱いまでなら受け入れられるのかを明確にする必要があります。
まとめ
彼氏が「忙しい」「距離を置きたい」と言う時、その言葉だけから、気持ちが冷めたのか、別れたいのかを判断することはできません。
本当に仕事や生活の問題で余裕を失っていることもあります。仕事の忙しさに加えて、恋愛関係へ疲れている場合もあります。以前ほどの気持ちはないものの、自分でも別れるべきか決められず、離れて確かめようとしていることもあります。
また、すでに別れたい気持ちがありながら、自分から明確に伝える責任を避けている場合や、恋人としての責任は負わず、寂しい時だけ関係を残したい場合もあります。
その違いを見極めるために見るべきなのは、連絡の回数だけではありません。
何が起きているのかを説明する「具体性」があるか。言っていることと行動が大きく食い違わない「一貫性」があるか。そして、関係を支える負担を彼女だけへ任せず、彼からも動く「相互性」があるか。この三つを見ると、彼が現在の関係をどのように扱っているのかが見えやすくなります。
大切な相手でも、強いストレスの中では連絡できなくなることがあります。そのため、「連絡が少ないから愛されていない」とすぐに決めつける必要はありません。しかし、関係を続けたい人は、余裕がない時にも、相手を無期限に放置しないための説明や配慮を示そうとします。
一方で、「嫌いになったわけではない」という言葉だけを信じ、彼が何も行動しない状態を待ち続ける必要もありません。好意が少し残っていることと、恋人として関係を続ける意思があることは別だからです。
恋愛では、相手の本音を当てることに意識を奪われ、自分がどう扱われているかを見失うことがあります。しかし、彼の心の中を完全に知ることができなくても、その関係が自分を安心させるものか、長期間不安にさせ続けるものかは見ることができます。
「忙しい」が嘘か本当かを暴くことより、その言葉のあとで、彼が二人の関係をどう扱うのかを見ること。そして彼が決断するのを待つだけでなく、自分もこの関係を続けたいのかを考えることが大切です。
彼が戻ってくるかどうかだけが、答えではありません。戻ってきた彼と、問題が起きても話し合い、互いの時間と気持ちを尊重できる関係を作れるのか。そこまで見たうえで、自分にとって必要な恋愛かどうかを判断することが、本当の意味で現実を見るということなのです。