「仕事ではそれなりに評価されてきたのに、なぜ婚活になるとうまくいかないんだろう」
そんな疑問を感じている女性はいると思います。
学生時代は勉強を頑張り、大学に入り、社会人になってからも仕事を覚え、少しずつキャリアを積み重ねてきた。職場では責任のある仕事を任され、収入も上がり、周囲から「しっかりしている」「仕事ができる」と言われることも増えた。それなりに努力して、自分の人生を自分でつくってきたという自負もある。
ところが婚活になると、その自信が急に揺らぐことがあります。
自分なりに会話もできるし、経済的にも自立している。結婚後の生活についても現実的に考えられる。それなのに、いいなと思った相手とはなかなか関係が続かない。自分より学歴や収入が高いわけではない女性が先に結婚していくのを見ると、「私は何が足りないんだろう」と思うこともあるでしょう。
ここで最初に伝えておきたいのは、高学歴であることや仕事を頑張ってきたことが、婚活でマイナスになるわけではないということです。
むしろ、知的な会話ができることや経済的に自立していること、努力する習慣があること、人生について現実的に考えられることは、結婚生活を考えれば十分に魅力です。
ただし、少しややこしいのは、これまで社会の中で評価されてきたものと、恋愛で相手の心を動かすものが、必ずしも同じではないということです。
高学歴女性が婚活でつまずくとすれば、能力が高いからというより、ここにズレが生まれている場合があります。
仕事では「何ができるか」で評価される
学校や仕事の世界には、比較的分かりやすい評価軸があります。
試験なら点数がありますし、仕事なら成果があります。専門知識を身につけたり、責任のある役職についたり、収入を上げたりすれば、自分がどれくらい成長したのかもある程度は目に見えます。
だから、長い間そういう環境で努力してきた人ほど、「頑張れば評価される」という感覚を持っています。
これは当然のことですし、悪いことでもありません。
むしろ仕事では、その考え方があったからこそ結果を出してこられたはずです。
ただ、恋愛は少し違います。
初対面の相手があなたを見た時、「この女性はどれだけ能力が高いのか」だけを考えているわけではありません。
話していてなんとなく楽しかった。自分の話を興味を持って聞いてくれた。変に気を遣わずに過ごせた。もう少し話してみたいと思った。
恋愛の入り口では、こうした数字では測れない感覚が大きくなります。
だからこそ、仕事では評価されてきた女性が婚活で思うようにいかないと、「こんなに頑張ってきたのに、なぜ評価されないの?」という戸惑いが生まれるのだと思います。
でも、婚活はあなたの努力が評価されていないわけではありません。
そもそも、評価されるものが少し違うのです。
学歴や仕事の実績は、恋愛では「後から効いてくる魅力」でもある
高学歴であることや仕事を頑張っていることを、魅力的だと感じる男性は当然います。
頭の回転が速く、話の理解も早い。自分の仕事を持ち、自分の生活を自分で支えている。仕事に対して責任を持ち、将来についてもしっかり考えている。
こうした要素は、長く付き合ったり結婚したりするほど大きな魅力になっていきます。
ただ、出会ったばかりの段階では、それだけで恋愛感情が生まれるとは限りません。
「一流大学を卒業しているから、この人を好きになりそう」
「年収が高いから、また会いたい」
というふうに人の気持ちは単純には動かないからです。
むしろ最初は、「話していて楽しかった」「笑った時の雰囲気がよかった」「自然に話せた」といった感覚から興味が生まれ、そのあとで仕事や学歴を知り、「こんなに仕事も頑張っている人なんだ」と尊敬につながることがあります。
そう考えると、高学歴やキャリアは弱い武器なのではありません。
むしろ強い武器だからこそ、最初からそれだけで勝負しようとしない方がいいのです。
相手が「もっとこの人のことを知りたい」と思ったあとに知性や仕事への姿勢が見えてくると、それは大きな魅力になります。
婚活が「面接」のようになっていないか
仕事で結果を出してきた人ほど、物事を効率よく判断することに慣れています。
婚活でも、相手の仕事や収入、家族構成、将来の考え方について早めに確認したくなることがあります。
時間を無駄にしたくないという気持ちもあるでしょう。
30代以降の婚活なら、なおさらです。
結婚する気があるのか。転勤はあるのか。子どもについてどう考えているのか。仕事を続けたい女性についてどう思うのか。
こうしたことを確認すること自体は何も悪くありません。
ただ、最初のデートから確認事項が多くなりすぎると、相手からすると「面接を受けているようだ」と感じることがあります。
これは男性だからという話ではありません。
逆の立場で考えてみると分かりやすいと思います。
初めて会った男性から、仕事は何をしているのか、年収はいくらなのか、家事はどれくらいできるのか、結婚後も仕事を続けたいのか、両親との関係はどうなのか、と次々に質問されたらどうでしょう。
条件を確認されていること自体より、「自分という人間を見られていない」と感じる人もいるでしょう。
婚活では条件確認も必要ですが、その前に人と人との関係があります。
どんな映画が好きなのか。休日は何をしているのか。最近何がおもしろかったのか。何を食べると嬉しいのか。
一見すると結婚に関係のない話の中から、その人の価値観や性格が見えてくることもあります。
効率だけでは分からないものが、恋愛にはあります。
「愛嬌がある女性になろう」という話ではない
高学歴女性の婚活について調べると、「もっと愛嬌を持った方がいい」「可愛げを出した方がいい」といった言葉を目にすることがあります。
こういう言葉に違和感を持つ女性もいるでしょう。
「結局、男性を立てろということ?」
「頭の悪いふりをした方がモテるの?」
「仕事では自立しろと言われてきたのに、恋愛では男性に頼れということ?」
そう思うのも無理はありません。
でも、ここでいう親しみやすさは、自分を下げることとは違います。
たとえば、相手が選んでくれた店がおいしかった時に、「ここ、おいしいね」と素直に言う。何かしてもらった時に「ありがとう」と喜ぶ。自分の知らない話が出た時に、知ったふりをせず「それ知らない。どんなの?」と聞いてみる。
それだけでも、人との距離は変わります。
仕事では、自信を持って発言したり、弱みを見せないようにしたりする必要がある場面があります。
責任のある立場なら、簡単に「分かりません」と言えないこともあるでしょう。
でも、恋愛までその緊張状態を続ける必要はありません。
仕事ができる女性が、プライベートではくだらないことで笑っていてもいい。しっかりしている女性が、時には迷ったり、人を頼ったりしてもいい。
そういう部分があるから、人は近づきやすくなります。
これは男性に媚びるというより、仕事用の鎧を脱いで、人として付き合うということなのだと思います。
条件を見ているつもりが、「自分より上か下か」を見ていないか
婚活では、相手の条件を見ること自体は必要です。
結婚は生活なので、仕事や収入について考えることは現実的ですし、何も考えずに相手を選べばいいという話でもありません。
ただ、自分が学歴や仕事で評価されてきた人ほど、無意識に相手も同じ物差しで見てしまうことがあります。
自分より学歴が高いか。
自分より年収が高いか。
有名企業に勤めているか。
肩書きがあるか。
そうした情報は一目で比較できるので、とても分かりやすい。
でも、結婚生活で本当に大切になるものは、プロフィール欄には書いていないことも多いです。
仕事で嫌なことがあった日に、どんなふうに話を聞いてくれるのか。意見が違った時に、怒鳴るのか、それとも話し合えるのか。あなたのキャリアがうまくいった時に、素直に喜んでくれるのか。
年収が自分より高くても、自分の仕事を軽く見る男性もいます。
一方で、自分より収入は低くても、お互いの仕事を尊重し、家事や生活を一緒に担い、あなたの成功を喜んでくれる男性もいます。
どちらが結婚相手として合うかは、数字だけでは決められません。
「尊敬できる男性」と「自分よりスペックが高い男性」は同じではない
婚活でよく聞く条件の一つに、「尊敬できる男性がいい」というものがあります。
これはとても大切だと思います。
長く一緒にいる相手だからこそ、何かしら尊敬できる部分があった方が関係は続きやすいでしょう。
ただ、ここで一度考えてみてほしいことがあります。
自分にとっての「尊敬」は、本当に学歴や年収だけなのかということです。
仕事に真面目に向き合う姿勢を尊敬することもあります。
家族を大切にする姿勢を尊敬することもあります。
人に対して誠実であることや、困っている人を自然に助けられることを尊敬することもあります。
もし自分の年収が800万円で、相手が600万円だったとしても、それだけで相手を尊敬できないとは限りません。
二人なら世帯年収は1400万円ですし、生活という意味では十分に成り立つ可能性があります。
それより、自分が仕事を続けたい時に応援してくれるか、忙しい時には家事を多く引き受けてくれるか、何か問題が起きた時に一緒に考えられるか。
そういう力も、立派な能力です。
結婚相手を考える時に必要なのは、「自分より上の男性」を探すことより、自分の隣に立てる男性を探すことなのかもしれません。
相手のスペックは、自分の価値を証明するものではない
婚活をしていると、自分でも気づかないうちに、結婚相手を自分の評価の一部として考えてしまうことがあります。
「これだけ頑張ってきたのだから、それなりの男性と結婚したい」
そう思う気持ちは分かります。
ただ、その「それなり」が、いつの間にか世間から見た分かりやすいスペックだけになってしまうと、婚活は苦しくなります。
有名企業に勤める男性と結婚したから、自分の価値が上がるわけではありません。
反対に、自分より年収が低い男性と結婚したから、自分の価値が下がるわけでもありません。
結局、その男性と一緒にいる時に、自分がどんな人間でいられるかの方が重要です。
いつも緊張しているのか。
嫌われないように顔色をうかがっているのか。
それとも、くだらないことで笑いながら、仕事の話も悩みも普通に話せるのか。
結婚してから毎日向き合うのは、相手の履歴書ではありません。
その人本人です。
高学歴女性は、強みを隠さなくていい
高学歴女性の婚活について話すと、「男性は自分より賢い女性を嫌うから、学歴はあまり出さない方がいい」という意見が出ることがあります。
でも、自分を小さく見せて始まる関係は長く続きません。
仕事を頑張ってきたのであれば、それを隠す必要はありませんし、自分の考えを持っているなら意見を言っていい。
むしろ、そこを面倒に思う男性とは、結婚後もどこかで衝突する可能性があります。
大切なのは、高学歴や仕事ができることを消すことではなく、それだけで自分を表現しようとしないことです。
仕事ができる自分もいるけれど、休日にはだらだらする自分もいる。
論理的に考える自分もいるけれど、好きな映画を見て泣くこともある。
自立しているけれど、疲れた時には誰かに甘えたいこともある。
人にはいろいろな面があります。
その幅が見えてくるほど、相手から見ても一人の人間として感じられるようになります。
婚活で必要なのは、より完璧なプロフィールを作ることではなく、プロフィールの向こう側にいる自分を伝えることなのだと思います。
婚活は、自分の価値を証明する場所ではない
仕事では、誰かから評価されることが大切です。
結果を出し、認められ、少しずつ責任のある仕事を任される。その積み重ねがキャリアになります。
でも婚活は、評価の順位を競う場所ではありません。
誰が一番学歴が高いか、誰が一番収入があるかを決める場所でもない。
自分に合う人を探す場所です。
条件の良い男性から選ばれれば成功で、そうでなければ失敗というわけでもありません。
大切なのは、その人の前で無理をせずにいられるか。相手を尊敬できるか。そして、自分も大切にされていると感じられるかです。
高学歴だからといって、自分を変える必要はありません。
これまで努力して手に入れてきたものを、捨てる必要もない。
ただ、それだけが自分の魅力ではないと気づくことはできます。
仕事の実績も、知性も、自立しているところもあなたの一部です。
そして、笑うところも、失敗するところも、人に頼るところも、好きなものについて夢中で話すところも、同じようにあなたの一部です。
婚活で相手に見てもらいたいのは、「条件の良い自分」だけではありません。
その人と一緒に生活することになる、あなたという一人の人間です。
そこまで自然に見せられるようになると、高学歴であることや仕事を頑張ってきたことも、初めて本来の魅力として伝わっていくのだと思います。